久賀島教会讃歌、詩中山利喜太郎、曲フランス聖歌 1.
浜脇教会。瀬戸の流れに、姿浮かべ。山を背負いて、立てる聖堂。神の住いと、民は集い。実り豊けき、いける信仰(くりかえし) 2.
牢屋の窄殉教。茨の谷に、悪しき誘い。おそいくるとも、たじろぎなし。道のしるべと、仰ぎまつり。語り継がなん、猛き信仰(くりかえし) 3.
五輪教会。浜辺にそびえ、百歳(ももとせ)経て。思いで尽きず、恵み溢れ。先祖(みおや)の功徳、今も偲び。幾千代(いくちよ)までも、香る信仰(くりかえし) |
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五島キリシタン讃歌、上村久雄詞、伏木幹育曲 1.
にわかにとよむ、久賀の海。捕らへられたる、2百余名。牢につながれ、足げされし。われらが祖先、五島キリシタン 2.
火責め水責め、何おそれん。まことのみ神、われにあれば。力たまえと、主に祈りし。われらが祖先、五島キリシタン 3.
みあとしたいて、われはゆくと。誓う心は、火ともゆれど。飢えに寒さに、命細る。われらが祖先、五島キリシタン 4.
昨日は助一、今日はタセ。明日はわが身か、殉教の。こころ定めて、祈り折りし。われらが祖先、五島キリシタン。 5.
東の空、光射して。嵐去りにし、島の夕べ。お告げの鐘に、祈り捧げし。われらが祖先、五島キリシタン |
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信仰の証し人、孝子 長い間待ちわびた、司祭到来よろこび伝わる、キリシタンとして生きようと、勇気わく命がけの信仰宣言、希望の道は多難を呼ぶ 大雪の降る久賀湾、浜辺近くの小さな牢は、大勢詰められ悲惨な有様、永遠のいのちを求めつつ、ロザリオの祈りを登りゆく 野の花のような小さな命、乳のみ児おさな児、弱き老人先旅立ちて、偉大な証し人となり、神の栄光示された 神へのあこがれ強まりて、苦しみ終えた人まっしぐら、喜びにあふれ登り行く、神の慈しみのみ手の中、強気信仰ゆるぎなく 長い苦難と命を捧げ、この地に平和が訪れる、神のみ国の到来を告げ、自由と平和よろこび伝える、久賀島の雄々しい殉教者 海中の裸体寒晒が行なわれた海岸 9歳の少年常八海中に両手縛られ迫害に耐ふ キリシタンなめし苦難のいかばかりパライソ望む六坪の牢 キリシタン重なる責苦堪へ忍び世の旅終へて永遠のやすらぎ 狭き牢あまたの苦難堪へしのびパライソめざし魂旅立ちぬ |
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浦頭教会小教区誌「島のひかり」、昭和57年7月1日、第63号 久賀島、大村、永松初子 赤レンガの天主堂、天使の翼のように、蘇鉄の葉が、潮風に揺れている、その庭より続く、砂浜にたたづむ神父は、天草四郎の転生か、若武者のように指される、殉教者は、コバルトの海に浮く、その深い緑は、信徒たちの受難を彩土っている、その昔、主を捨てきれず、主と共に三尺牢につめられて、水責に殉した信徒たちの、力に漲った勝利の賛歌が流れて来る、この海のあるかぎり、あの島のあるかぎり |
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