牢屋の窄レリープ工事の経緯

 

純心大学美術科 本田利光様

資料送付案内

拝啓

冬の到来を感じる寒さが続いています。

先日は電話で牢屋の迫殉教地の殉教レリーフ制作をお願いしましたが、資料を同封していますのでご査証の上よろしくお計らいください。

1,        牢屋の窄殉教者資料 4通

2,        写真

 

レリーフ設置場所の寸法(写真に明記)

縦 197.50  168.00

上から136,00  191,00  226,50

殉教地は写真で想像できるようにすばらしい景勝地となっていますが、今でも交通の便が悪い場所となっています。それでも海上タクシーなどで、全国の教会から多数の信徒が団体か少数のグループで見えています。資料を精読され、当時の状況を忍ばせる絵を製作していただきたい。グループの場合、地元の信徒の方がかならず信仰の碑の前で案内をしています。巡礼地としてさらにふさわしい雰囲気をつくること、また、巡礼者と案内者の便利を考えてレリーフ設置を思いたちました。

 

平成211123

853-0005

五島市末広町3-6

TELFAX 0959-72-3957

E-mail:isao4@extra.ocn.ne.jp

カトリック福江教会 下口 勲

 

敬具

 
 

純心大学美術科教授 本田利光様

拝啓

 

春爛漫、久賀島も新緑で輝き始めています。

先日は丁重に写真付きで、牢屋の迫殉教地の殉教レリーフ制作課程をお知らせいただきありがとうございます。

設置予定の牢屋の窄殉教地もすっかり春めき、巡礼者が見え始めています。昨日は韓国のテグ市から25名の信者の巡礼団が当地を巡礼し、大変な感動を受けたようです。3月末、長崎教区顧問会が長崎でありましたが、その席でレリーフ製作許可申請書を提出し、審議していただき、満場一致で了解を得ることができました。教区長の高見大司教様にもわたしから説明し、理解を得ています。

当地に来られるときには電話でお知らせください。いつでも作業に支障がないように最大限の努力もしますので、何か協力してもらいたい必要なことがあれば遠慮なく教えてください。

平成22422

福江小教区兼浜脇小教区主任司祭

下口 勲

 
 

前略 ご免下さい

 

信仰の碑の台座のデザイン力強い信仰の喜びを表現しました。ご意見頂ければ幸いです。制作していく手順は、粘土を実寸大の板状にしてレリーフ制作をして、釜に入る大きさに切り、金で仕切って石膏取りをして、約百個ぐらいのピースになった石膏型に陶土を手押しして陶土版にして、乾燥後素焼き(800℃)を並べて彩薬を塗って本焼き(1250℃)します。窯出しするときまでは色など完全には分かりませんので、余裕を持って春休みに石膏型取り、夏休みまでに釜入れして完成させたいと考えています。原画の色は、現在ある彩薬の色を塗っています。

 

長崎は珍しく大雪なっています。寒さが厳しい折、お体を大切になさって下さい。

下口神父様

本田利光

 

牢屋の窄殉教地殉教レリーフ製作許可申請書

 

長崎教区 高見三明大司教様

1,      久賀島・牢屋の窄殉教地小史

大浦天主堂ができても日本人の信仰の自由はなかったが、真のカトリック信者としての信仰を知った久賀島の人々は、寺請制度を拒否し、信仰を公にした。これを機に「五島崩れ」と呼ばれるキリシタン弾圧がはじまる。松ヶ浦の6畳の仮牢に、幼児から老人まで男女200人余が足もつかない状態で8ヶ月間押し込まれ、拷問を受けたが、苦しみのあとの復活を信じて42人もの人が殉教。牢屋跡には記念碑が、横に記念聖堂がある。

2,      レリーフの必要性

近年、牢屋の窄殉教地を訪れる巡礼者が多くなっています。毎年秋には、当地で殉教際が挙行され、今年29日には駐日教皇大使アルベルト・ポッターリ大司教による荘厳な殉教祭を執り行いましたが、当時の殉教の模様を一目で分かるように物語るものは何もありません。そこで、地元の信徒と協議し、牢屋の窄の信仰の碑台座を活用し、その下に子孫の手によって納められている殉教者を顕彰するためのレリーフを製作することにしました。

3,      レリーフの内容と費用について

 (1)規模内容

・設置場所 信仰の碑台座正面

・制作者・純心大学教授本田利光氏

・迫害の苦しみではなく、力強い信仰の喜びを表現したデザイン・陶土を本焼きした100枚程度のピースを組み合わせ、夏休みまでに窯入れして完成させる。

 (2)費用

    予算額は約   万円

4,      製作費用の捻出方法

全額主任司祭が負担することにしました。

以上、よろしくお願いいたします。

201031

申請者 浜脇小教区

経済問題評議委員           

                      

                 

主任司祭                
 工事:2010年12月6日〜10日 長崎純心大学教授、本田利光氏が12月8日に来島され、工事現場の監督をされた。左官工事は地元久賀の山田氏。山田さんは工事にあたり、通常の左官工事と異なるので、うまく工事ができるか心配しておられたが、実際の工事は何の支障もなく、完成した。
工事期間中の天候が雨という週間予報でしたので心配したが、工事期間中は、季節風が強かったものの、雨は降らず、工事は順調に運んだ。

陶器の運搬においては、福江教会信徒の吉原氏の協力があった。また、工事においては地元の信徒宮本氏の協力もあった。12月9日夜、工事が早めに終わったため、完成祝いが本田教授と山田左官の出席をしていただき、浜脇教会信徒会館で完成祝いをした。すべての料理は、婦人会の手料理で
活魚のイカの刺身とカワハギのフライはとても美味しかった。教授は伊勢エビが好きで、足の肉にいたる丸ごと一匹美味しそうに食しておられた。

  
   
inserted by FC2 system