献堂25周年記念想い出集
ライン

ス:「ここの有志の山崎さんって言う地元の人が、買うて住んで居ったと。そしたら事業に失敗して銀行の抵当に入っとったから、渋谷神父様が伊王島に居る時にこっちに来たいと言うことで、ここを買うことになったと。銀行の抵当に入っとったと、1千万円で。」

節:「自分のお金で買ったと?」

ス:「自分でね。株を買いよったからね。」

節:「確かね。」

ス:「そして、天守閣ごたる教会を建ててやる言うて、私も楽しみにしていたとばってね。株が暴落して、もう建てられんことなったと。」

三:「あーん。この土地も神父様も。」

節:「そうそう。お金で建てたと。」

ス:「教区の名義になっているとでしょう?ここは。」

三:「あーん。」

ス:「土地は全部長崎教区の。」

三:「教会、幼稚園の土地からやったからね。昔はそうやったものね。」

ス:「もう幼稚園は純心聖母修道院にやったものね。そのかわり、修道会から少しお金をもらって、あの1千万円ぐらいもらったとかね。」

三:「うーん。」

ス:「そして、ここの阿野神父様の時に、ここ(信徒会館)を作ったとね。」

節:「信徒会館かね。」
 
深堀教会信徒会館

 

三:「うーん。へーそしたら、でもその頃言うと、信者数は少なかったたいね?」

ス:「うーん。阿野神父様が来た時は、あっちに団地も出来とったからね。」

三:「渋谷神父様の頃は?」

節:「渋谷神父様の時は何十軒かしか無かった。」

ス:「二十軒ぐらいしかなかった。」

三:「うーん。そしたら、この教会も建てたと同時に婦人会も作ったと、それともその後?」

ス:「婦人会も作ったよ。連合には入っていなかったけどね。ここだけの。」

節:「そのころ私は未だ若かったのでよく分からんかった。子供もずっと小さかったので。」

ス:「そして古曾さんって、あのー役員しよった人の旦那さんの奥さんが米屋をしていたと、裏で。」

節:「そうそう。」

ス:「渋谷神父様から少し土地を分けてもらったとね。そこに、家を建てて。」

節:「米屋さんをしていたと。」

三:「あーん。」

節:「教会の下の方でね。」

ス:「教会費は集めて無かったと。その時は奉仕で私たちは。」

三:「あーあー。」

ス:「維持費はつないで無かったと。奉仕をしてくれて言うて、維持費の代わりに奉仕をしよったと。」

節:「だから毎週毎週。」

ス:「毎週草取り奉仕に。」

節:「うちのじぃちゃんなんか何時も畑仕事しに行きよったと。賄いのおばさんに頼まれて。」

ス:「賄いさんが畑仕事好きやったさあ。もう食べるとは遅くしても畑仕事ばかりしておりよってさあ。そいでさ、もう会合するところが無かけん、うちの家で会合をしに来ていたと。そん時、神父様は山口さん方で食べるって言うてね。ここ山口さんの所が一番良いですよて言うてね。食べんねって言って早く来させたと。そして、うちは店をしていたから、何やかんや作って食べさせてやりよったと。」

三:「そん時から、もう作ってあげよったとね!」
ス「うーん。そのころから賄いはおっても賄いほったらかして。会合の時はうちで作って出して。信徒会館の無か時は、うちの2階がほとんど会議室やったと。」

節:「信徒会館の無か時はさ、新年会とか忘年会とか谷口さんちでしてみたりおばちゃんちでしてみたり。」

ス:「殆んど、うちの2階でしていた。」

節:「それから皿でも、茶碗でも何でん自分方で出して。」

ス:「出して買って、そうけん山のごとく。教会で何かする時は皿や茶碗が、未だここ(信徒会館)が出来ても皿や茶碗が無かもんやけん、リヤカーで運んで持って来てはガラガラと打ち割ってしもうて。」

節:「石油ストーブでも何でんも。猫の手で持って。」

ス:「猫の手で運んで。何や、ホットプレートや、あげんとも、お金が無いから、とにかく品物は買えんので、自分たちが買ってここに貸しよったと。そげんして、ここを作っていったと。」

三:「へー!」

ス:「バザーは、とにかく、もう品物を買いきらんけんね、佐藤神父様の時にバザーをしたかとやけど、どうすれば良かですかね?と言うたら、そーね、最初からは無理やけん、節ちゃん、あの一軒一軒回ってから、いらん物や贈答品を集めて売るごとしようかとなって、ずっと目星か所を回って」

節:「昼も夜も回って。その頃、車も運転手も誰もおらんから。」

ス:「背中に背負って、二人で集めて二人で集めて、毎日。未だ信徒会館の出来て無かったからね、その時は。」

三:「そうね。佐藤神父様の時は無かったものね。」

節:「バザーの始まりはそれやったと。」

ス:「バザーの始まりはそれから。そいで、その売ったのが14000円しかやったとね、最初の売上は?佐藤神父様にー。」

節:「ビックリしたとね!」

ス:「佐藤神父様に14000円売れましたよと言うたら、おー、それはたいしたものよと言うて、そいでそれからずっと1、2回続けたのは2、3年やね。釜を買い、鍋を買い。」

節:「その鍋や釜やら、皆バザーで私たちが全部買うたと。買いに行きよったと!その時は車も持たんので、何時でもバスで行って、かろうたりして。」

ス:「それから、それこげん、品物揃えたと。」

節:「全部買い揃えたと。」

ス:「バザーをしなかったから。香焼も未だしよらん時にバザーをしたとやからね。」

三:「うーん!」
 
 
献堂25周年記念バザー

ス:「とにかく品物を集めんば何もされんと言うことで。ここの御堂を作ったばかりで、金はいっちょん無かろう。うちは商売をしていたから、父ちゃんはうちの金を黙って取っちゃ、もうその借金払い。もうとにかく、言うに言われんものすごく苦労をして来たと。」

三:「ものすごく奉仕をしていたとね!」

ス:「今でこそ金はあるけど。金は無かし集らんし!もうー、ほとんど私は自分が商売して、お金を立て替えて払って来たと。」

節:「バザーでうどんとかカレーを出す時には二人で作ってさ、もうー、夜まで掛かって二人で作ってさ、そして売りよったと。」

三:「ほら、昔の役員さんと言うか節子さんたちが若か頃、私たちが来たばっかりの頃と言うと、役員さんが率先して全部しよったたいね。今は、もうー、ほら。」

ス:「今は各班に割り当てるけど。」

三:「割り当てるとけど。」

ス:「私たちは二人でね、うどんとカレーと、とにかく、まあー、そげんとから作ろうと言うことになって。段々、数を増やして行ったけどね。コロッケなんか未だ(やったばってんね)。」

三:「本当の本質的なあれと言うことは、カトリックの本質的な何か意味と言うことは、おばちゃんたちよね。あの何と言うか奉仕の心でするというか。」

ス:「陰の力と言う、本当に。」

三:「絶対必要よ後で。今、いくら―。」

ス:「言われたよ。阿野神父様がうちの父ちゃんが亡くなったからね。山口さんたちが陰の力に如何になっていたか、すごく分かったって。」

三:「そう。今は金さえ出せば良か様な感じやかね、今のカトリックの信者でもね。そうじゃ無か、やっぱり。」

ス:「そう言う、ほらバザーするにも、炊く品物とか鍋とか大きな物が無かけん運びよった。」

節:「太か鍋を私なんか香焼から何時でん借りて来よったよ。」

ス:「借りよった。自分のうちから買ったものを持って来たりして。もう何しろ鍋でも鉢でも自分のうちから。そうけん、うちの家は何時でも新年会、何かをする時は鉢でも何でも足りん時は買ってしていたとだから家で。それからが始まりやけん。」

節:「それがバザーの始まりたい。教会は、上の教会は、ほら西田神父様やら、浜口神父様や。それー。」

ス:「一番初めに、そのー、あのー、ほらー、あの神父様が来た、あのー?」

節:「川口神父様。」

ス:「あの川口神父様が来て、そいで賄いのおらんで、そして昼は節ちゃんたちがして、夜は私がして。」

三:「はあー。川口神父様はここが出来てからは、全然居なかったと?」

節:「いや、出来てからちょっと居ったと。」

ス:「出来る前に来て、出来たからちょっと居ったと。」

節:「川口神父様が造ったとだから、この教会は。」
 
 
深堀教会建設風景

ス:「うん。川口神父様が造ったと。」

節:「川口神父様が居る時に。」

ス:「そして、うちの父ちゃんたちは各班をずっと回って、聖書を持って、各班を説得して回って6万円、その頃、教会を造る時は皆から徴収したとやけん。月賦で。」

三:「あっ。そいで分かった。出来てきたばっかりで、ここに引っ越して来た時に3万円、何しろ月賦で3万円も。」

ス:「6万円やったと。」

三:「うちんと(主人)が洗礼受けとらんけんね、だから3万円で良いと言うたとねー。」

ス:「半分で良かと言われたとさ。」

節:「その頃はね、昔はね未だ6万円もだいぶね、でも、よその教会に比べたらね。」

ス:「うちなんか20万円だしたよ。」

節:「よその教会に比べたね。」

三:「少なかものねー。」

ス:「ここ(ファティマ)のマリア様を作る時も10万円だしたよ。」

三:「あー。」

ス:「30万円ぐらいだした。」

節:「川口神父様はね、背の高かったものね。」

三:「そうそう、今でも。」

ス:「よく頭のつかえるって、アイタアイタって言うて。」

節:「あのね、行く時にはさ。」

ス:「かがんで行くと。」

節:「教会に行く時には、こう(かがんで)行くとさね、帰りは忘れて頭を打つとさ、鴨居でコツント。それを見て笑いよったね。」

ス:「台所はちょっと別に造っていたとやけん良かったとけど。とにかく低かったと。」

節:「そして低かった所がイヤと言うて、祭壇をこっちの高い所に別に造った所に移したよ。その頭を押さえつけられる感じって言うて。こっちにあった祭壇をこっちの後に。」

ス:「8帖ぐらいの広か畳の間あったとね。」

節:「そっちの方に祭壇の方に尻を向けたと。あはっ、あはっ」
 
 

つづきのページ

トップページへ

 
 
  inserted by FC2 system