歴代司祭
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ガブリエル・西田 忠師

深堀教会の思い出   

川棚教会主任 西田 忠
 
 

 私が深堀教会を去り、川棚の教会に来て16年になる。私が深堀教会と関わりを持つようになったのは、創立者であり、主管であられた渋谷神父様が1972年10月7日に亡くなられて、里脇枢機卿様から、突然!深堀教会に行きなさいと言われたことによる。10月21日土曜日から巡回に出掛け、日曜日のミサ、用件を済ませてセンターへ帰るという生活が2年半続いた。

 1975年4月川口神父様が主任司祭として着任され、私は下の幼稚園に退いた。それから間もなく、佐藤神父様が後を継がれた。突然!1979年11月になって今度は正式の主任司祭の辞令を貰い、27年間の教区会計の仕事も解かれ、住み込みの主任司祭として着任した。深堀教会の私の辞令はどれもこれもみんな「突然!」の連続で、そして、突然の転任の辞令で終わった。

 私の深堀教会での思い出は、川口神父様がお出でになって間もなく新築された聖堂の献堂式での祝賀会の時のことである。会場の幼稚園のホールで、それぞれの席に案内されて式が始まった。式が進むにつれ、ふと気が付いたのは、自分が座っている席次である。主賓は当然枢機卿様である。ところが自分の座っているその席が主賓席であって、当の枢機卿様は来賓席の端の方で、もう信者代表のお礼の言葉を受けておられるではないか。今更席を替わってくださいとも言いきれず、逃げ出すわけにもいかず、なんとも針の筵に座っている心地。心では青くなったり赤くなったり、折角の御馳走も味はなく、堪らない心地のお祝いの席であった。

 やっとの思いで式を済ませたが、幸い?枢機卿様の寛大な心のお陰で別に問題にされる事もなく全てが済んでしまった。深堀教会を思い出す度に、忘れる事の出来ない、枢機卿様の何ともなげな態度に救われた思い出の一コマである。
設立25周年のお祝いにあたり深堀教会の益々のご発展をお祈りするのみである。

 
堅信記念(S.55.4.20)

 
西田師を囲んでの食事会
 
 

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